この週末あたり、「ゼツメツキグシュノオト」の絵本が全国の書店の店頭に並ぶことと思います。半年前、絵本化の話を最初に聞いたときには、『不安』の2文字しか頭に浮かびませんでした。「売れなかったらどうするの???」
しかしその一方で、市場の古本屋ウララの店頭で、一冊一冊絵本をコツコツ売っている自分の姿を想像しました。
月に1度か2度、ウララのお店番を手伝うようになったのは、2016年の秋ごろなので、連載に行き詰ってウンウン唸っていたころと重なります。(音楽之友社のHPで連絡が始まったのが、2016年1月。月1回の連載が1年半続き、18作品(絵とピアノ曲)が出来上がったのが2017年6月)
連載が終わったら楽譜になることは決まっていましたが、思いがけず、CD化や絵本化の話が舞い込んで来ました。話が進行する中で、ウララの店番をしながら思ったことがいくつかあります。
その(1)
ここで売るなら、表紙はフクロウの絵にしよう!
ウララのアイコンはフクロウです。店の看板も、店内にもフクロウの置物がそこここに置かれています。(なぜフクロウなのかは、宇田智子著「那覇の市場で古本屋〜ひょっこり始めた〈ウララ〉の日々」ボーダーインク刊のP124でどうぞ)
斜向かいに「ふくろう楽園」という施設ができて、生きたフクロウが見られるのですが、そこが出来たのはウララの開店よりもずっと後のことです。
絵本のために描き下ろした表紙にはリュウキュウコノハズクがいます。ウララの店頭で、自分の手で絵本を売って、ひとの手に渡っていく。だとしたら、この場所から自然につぶやける絶滅危惧種はリュウキュウコノハズクだ、と思いました。
シーソーみたいに揺れる琉球松の小枝にちょこんとのったコノハズク。小さな店にぎっしり詰まった本の間からみえ隠れするコノハズク。
当初、『不安』の2文字しかなかった頭の片隅で、表紙のことを考えている。あきれたものです。
その(2)については、また明日書きます。(つづく)