「アマミノクロウサギ」が「奄美野黒兎」だということを知ったのは、「ゼツメツキグシュノオト」の連載をしてからのこと。
字面では「奄美野黒兎」とわかっていても、音読したときのイントネーションは「奄美の黒兎」とは明らかに違います。そのことを強く意識したのは、CDの録音で朗読をしたとき。
知らないことは、まだまだいっぱいありますね。
さて、アマミノクロウサギの習性として、とても特徴的なのは、その子育てだと思います。
「ゼツメツキグシュノオト」では、そこをフォーカスして、「クレッシェンド」というタイトルの詩を書き、巣穴で再開する親子の絵を描きました。
天敵から守るため、巣穴を掘って子兎を隠し、授乳のときだけ開くという。
今回、「ゼツメツキグシュノオト」に生きものの解説を書いてくださったのは、科学コミュニケーターの深津美佐紀さんです。楽譜・CD・絵本のために、それぞれの媒体に合った解説を書き分けてくれました。
【楽譜】「ゼツメツキグシュずかん」
【CD】「ゼツメツキグシュについて」
【絵本】「ゼツメツキグシュの、ものがたり」
タイトルを見くらべるだけでも、それぞれの方向性が見えてきます。
楽譜では、ピアノを弾くかたのためにイメージを膨らませる解説を、CDは音を聴きながら、生きものたちの生態をより深く知るための情報を、絵本は読みきかせをすることを想定した語り口で、と、きめ細かな書き分けで、私も作曲家のセロリさんも、原稿が出てくるたびに感心しきり。
3つそれぞれを手にされた方は、ぜひ解説をご活用いただきたいのです。音楽や絵を通して、同時に生きものたちの知識が染み込むように伝わると良いと思っています。
さて、アマミノクロウサギの巣穴の話ですが、子兎からすると、閉じ込められるわけで、凄いことです。私には無理。
数十年前、検査のためにMRIに入ったとき、当時は筒状ではなく、頭の先が閉じられたドーム型でした。そのとき初めて私は閉所が苦手だということがわかりました。自分の感覚ですら、体験してみないとわからないということが、その時よくわかりました。
科学コミュニケーターの深津美佐紀さんへのインタビュー記事がアップされました。こちらから読めます。☞ ★