音楽ライターの飯田有抄さんが、ブログに「月夜のナイチンゲール」のことを書いてくださって、うれしい。
☞ 生活之音楽ビース社 「ブルクミュラーによる音楽紙芝居! 」
なにがうれしかったって、
「まるで、書き下ろしなのかっ!?というくらい、音楽とお話と絵がしっくりきて……」
と、書いてくださったこと。
音楽はすべてブルクミュラー。いろんな使い方はしたけれど、効果音ではなく、音楽として聴いてほしい、というのが最初に決めたことでした。
実際、ピアノの川津直子さんは、狙った効果を消化して、音楽としてナチュラルに弾いてくれました。語りをする私にとって、すごく大きな安心になりました。
絵があるていど場面を説明してくれるわけですが、登場人物の気持やその変化を表現するのはむしろ音楽で、それが上手く絵と言葉にハマったときに、物語が動きはじめます。物語のなかに自分が入っていくような感覚になると思うのです。
練習時にも川津さんとふたりで何度かゾクッとしすることがありました。同じように本番でできるかどうか、上手くハマるかどうか、難しいだろうなと思っていましたが、こうして飯田さんにブログに書いていただけたところをみると、「ゾクッ」がお客さんにも少しは伝わったにちがいないと思えて、それがうれしいです。
「心配」(全音版では「気がかり」)の超スローテンポは、川津さんのアイデアです。CDで聴くこの曲はすごく速いテンポなのですが、これをゆっくり弾くと、思いがけない効果がうまれました。
最初に台本をつくった段階では、この場面の曲だけは決められず、「まだ迷っている」と川津さんにメールしたところ、最初の合せのときに目の前で「心配」を超スローテンポで弾いてくれて、それで即決でした。腑に落ちたときのゾクゾク感。気持よかったです。
練習していたときの自分たちの「ゾクッ」が、会場のお客さんたちの「ゾクッ」になっていくときの快感。やっぱりライブはいいな、としみじみ思いました。