那覇に来て2年近く経ったころ、赤嶺(那覇市内・空港の近く)の版画工房コントルポワンに通いはじめました。習うことは楽しいです。
エッチングにしようかリトグラフにしようか、両方とも体験教室で経験をしてから、リトグラフにしました。いろんな色を使えるので、リトグラフは楽しいのですが、その代わり、数色を重ねるために色の数だけ版が必要で、一遍には刷れないから完成まで時間がかかります。週に一度の教室通いでは、3色の作品を仕上げるのに最短で5週間が必要です。その5週間の間に失敗と後悔をくり返し、たまにまぐれのような成功があって、そんな泣き笑いがアクセントになって、工房に通い続けています。
今年の3月に工房展があって、初心者ながら混ぜていただき、4点ほど展示をしました。それを見に来てくれた古書の店言事堂(那覇市松尾)の宮城未来さんといろいろ話をするうちに、今回の『まぼろし県産本 原画展』へと発展しました。沖縄の宝とも言える「県産本」の深い懐を借りて、架空の県産本を2人で思い描きながら、展示へとつなげて行きます。
版画作品としては未熟な点ばかりですが、そんなことが吹き飛ぶくらい楽しい県産本の(妄想の)世界にご案内できると思います。
言事堂 ☞ ★
版画をはじめた理由